性科学(セクソロジー) sexology

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Kinsey

 


Shere D. Hite

 


Masters & Johnson

 

 

人間の性行動を研究する学問。

性に関する医学的問題や、性行為そのものを対象に研究しようというもの。

近世になるまで性行為に関する研究は、個人的な羞恥心や宗教的・倫理的立場からの抑圧により、生理学的な立場で解析したり、統計的調査による正確な把握は一切禁止されており、決して表面に出されることはなかった。

しかし、ロマン主義が18世紀末から展開されることにより、人間の性行為に矛盾が発生してきた。

18世紀のパリでは、肛門性交や女性生殖器への異物挿入は生命の誕生を否定する神への冒瀆行為であり、死刑に値していた。一方で同時代のロンドンでは、どこの売春宿にも樺の枝笞や緊縛の道具がずらり取り揃えられ多彩なメニューが用意されていた(イギリス人のSM好きは相当なものであり、大陸側の人々は「英国的悪徳」と恐れていた)。

19世紀のロマン主義全盛および、ポルノグラフィー作家の登場により、性と生殖の分離という社会文化史的な流れ、いわゆる性の解放・自由化への運動が加速された。こうした中で、19世紀後半には性行為についての多面的な医学的・行動科学的研究が行われるようになっていた。

20世紀に入るとキンゼイ が、それぞれ5000人を超える男女に直接面接を行い、1948年に男性の、53年に女性の性行動を初めて統計的に報告した。この二つの報告は《キンゼイ・レポート》と総称される。

ハイト(Shere D. Hite)も同様に面接調査を行い、74年に男性の、76年に女性の性意識と性行動について《ハイト・レポート》としてまとめている。一方、マスターズ(WilliamH. Masters)とジョンソン(Virginia J.Johnson)は性行動における男女の性反応を生理的に研究し、《人間の性反応》(いわゆる《マスターズ・レポート》)を発表した。

これらの調査、研究は現代の性科学の基礎となった。ところが、しだいに「性」を性行為中心に分析することに疑問が出され、今日では性的能力や性的動機、性的社会性、男女の性にまつわる全ての諸問題が研究対象とされている。

 


このページは、心理学サイト「性と文化の革命家」と
「心理学を学ぶには?カウンセラーになるには?」の記事です。
性と文化の革命家(心理学の偉人伝)  心理学を学ぶには?カウンセラーになるには?(誰でもこれから実現できる方法)  参考文献