クラフト・エービング Richard von Krafft-Ebing 1840-1902


 

ドイツの精神医学者。

マンハイムに生まれ、シュトラスブルク大学、グラーツ大学、ウィーン大学などの精神医学教授を歴任し、 1879 年に《精神医学教科書》を著して医学界に大きな影響を与えた。

しかし、彼の名が今日知られるのは、異常性欲者の詳細な記述と分類を試みて 1886 年に《性的精神病質》を公刊したことによる。彼はどんな人間の妄想にもあきれずに耳を傾け、正確に記述した。この本はその後改訂を重ね、分類、命名もかなり変化したが、サディズム、マゾヒズム、同性愛、屍姦、快楽殺人、性欲亢進症、性欲欠乏症など、重要な類型のほとんどを記述・命名している。

彼は精神鑑定医として各国の裁判所から性犯罪者の鑑定を依頼された多くの臨床経験から、この仕事をなしとげ、性科学の創設者の一人と目されているが、犯罪心理学、司法精神医学の創設者の一人としても高く評価されている。 

彼の執筆した性的精神病質には、事例として

・恋人のヴァギナに蛭を突っ込んで、彼女が失神するまで血を吸わせる男、
・娼婦を買ってその口の中に排便させる男、
老婆の被るナイトキャップで性的に興奮する男、
・少女の血を飲まないとオルガスムを得られない男、

等が扱われており、彼らの驚嘆すべき創意工夫には仰天して目をぱちくりするほどである。

 

彼は性倒錯を「生殖を伴わない全ての性行動」と定義した。また同性愛も性倒錯の一つとみなした。

しかしこれらの見解はさすがに時代遅れになりつつある。今日では生殖を伴わない性行動は、全ての人間が実践している。また、同性愛は脳のホルモンバランスや幼年期の教育環境によるものとされ、性倒錯と区別して研究されている。

 


クラフト・エービング


このページは、心理学サイト「性と文化の革命家」と
「心理学を学ぶには?カウンセラーになるには?」の記事です。
性と文化の革命家(心理学の偉人伝)  心理学を学ぶには?カウンセラーになるには?(誰でもこれから実現できる方法)  参考文献