私と弘法さん M 清子
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ちりめんお細工物
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刺繍半襟  

 刺繍半襟はその小さな空間に繰り広げられる美しい意匠と細やかな刺繍の技術、日本人の美意識に圧倒された。半襟特有の技術として図柄を左右に反転させている。襟に沿ってほんの僅かに見えるだけなのに何とも贅を尽くした物だ。半襟が流行った大正から昭和初期その意匠はどんどん手間隙かけた豪華な物にエスカレートし、着物よりも高価な物が登場したと云う。京呉服の老舗“ゑり善”には主に大正期の素晴らしい半襟のコレクションがある。その頃の物が最も手がこんでいると言う。
 俳人 河東碧梧桐「半襟は衣裳より費を惜しまず 掛けしぶらず」


 満開の桜の花を横に塊として捉え、菅縫い(地引き縫い)で刺し尽くしている。蕾は縫いきり。
 桜の花の美しさを個性的に表現している。

小さな花たち
 菊 梅 桜 椿 様々な小花を晴れやかに描いている。
 縫いきりの易しい刺し方。
竜田川
竜田川(桜に紅葉 水の流れーうち一つが省略される事もある。)の意匠。これは松が加っている。
 紅葉は割り縫い、松は縫い押さえ、水の流れは堅い縒り糸で菅縫い綴じ付け。 
 地色の紫と重ね合わせた紫と白で美しく仕上げている
藤 撫子 菖蒲
 赤地に白一色、縫いきりで華やかに刺繍されている。地には平箔糸で一面に芥子縫が華やかさを添えている、中心へ行く程細かくなっている。平箔糸は表裏があり扱いは熟練を要する。
 赤地は舞妓さん用。
ざくろ
 白と朱の菅縫いに巧みな霧押さえ(縒りの強い糸で巧みに押さえていく)で柘榴の実のざらざらした感じを巧く出している。葉その他は銀と白で細いまつり縫い。
 おとなしい出来上がり。一幅の絵のようだ。
桐枝(きりがえ)に光琳蝶
 桐枝と光琳蝶を豪華な雰囲気に仕上げている。まつり縫いで丁寧に刺している。

光琳菊に芝
 純白の光琳菊は刺し縫い、添えられた葉の紫と薄緑が美しく、露芝の添え方も巧み。

琴柱(ことじ) 優しく表現された琴柱と小花。琴柱は周りをまつり縫い、中は菅縫い。小花はほっかむり縫い(相良縫いで大小の芯を作り縒りの掛からない太い糸で”こて針”と言われる技法ー針目を出してから糸を平らに又必要な厚み丸みを持たせる等微妙な針さばきをする熟練が生かされる縫い方)。出来上がったぽっこりと丸い表現は何とも可愛らしい。
 色目と共に美しいハーモニーを奏でている。

矢羽と蝶
 矢羽を縒りを掛けない艶やかな糸を使って割り縫いで華やかに、舞う蝶は二重の刺し縫いで美しく描いている。平銀糸の芥子縫いがあしらわれている。

二匹の金魚
 絽に涼やかな細銀糸と無地糸で水紋を。二匹の金魚を細い糸の刺し縫いで繊細に描いている。
 金魚の尾が揺れている。
葉唐草
 紫一色で美しい曲線を見せている。曲線の太さを一定に収めた美しい纏い縫い。葉は割り縫い。


 空に舞う美しい雁,、その姿を実に生き生きと縫いきりで表現している、その目も見事。とても巧い刺繍だ。魅せられる。

光琳菊に雲形
 雲形の芥子縫が美しい。光琳菊は刺し縫いとても上品。

御所車に野の花
御所車がとても繊細に刺されている。優しい雰囲気で色目がとても美しい。なだらかな山の掠り縫い(縫い消す)が美しい。

” 私が半襟を蒐めるきっかけとなった品。”

雲形と花菱七宝 
 纏い縫いで雲形をとりその中に芥子縫いを美しく入れ、花菱亀甲七宝つなぎ、紗綾形小花ちらし、有職紋小葵の見事な取り合わせを複雑に描いている。使われている刺繍糸はとても堅く縒られている。高度な仕上げ。

え霞にさくら
 え霞に桜。え霞は菅縫い綴じ付け(固い縒りを掛けた糸が使われている)桜は肉入り縫いきり。(表面の刺繍糸を刺す前に下刺しを入れて厚みを出す)、
色目が可愛い。 
松葉ちらし
松葉は纏い縫い、まつぼっくりは縫い切り。針数は少ないが巧みな腕前。
 散りばめられた松葉と松かさの美しさに息を呑む。
 地味だが魅せられる。
さくら
 菅縫い(地布ーちりめんの布目の谷に沿って仕上げる)でとても上品に雰囲気。光線の具合で美しさを増す。
蓑亀
 駒縫いで蓑亀を描いている。明治の物(子供用?)。
木蓮に白い鸚鵡
 鸚鵡がその存在感を存分に示している。モダンな一品。
薬玉
 帯巾いっぱいの大きな華やかな薬玉。

御所車に花
 御所車を囲む四季の花が晴れやか。

枝垂れ梅
 夜空に浮かび上がったような枝垂れ梅。

花に流水
 花に流水紋で所々渦を巻いて装飾性を高めている。
白菊
 細やかに白菊が乱れ咲く。

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