2008.4.23

『第18回コーラスワークショップinみえ』を10日後に控えて〜2008年度《EST》の始動
 

 2008年5月4日に三重県文化会館で催される、『第18回コーラスワークショップinみえ〜特別コンサート』の10日前となりました。
 
《EST》にとっては全国大会以来の5ヶ月半ぶりのステージ。いわば、シーズンオフの活動が問われる大事な行事です。
 
この間、12月の《EST》スコラーズ・コンサート、1月の「新春!歌の発表会」、2月の重県合唱アンサンブルコンテスト(最優秀賞をいただきました)と、宝塚国際合唱コンクール予選、3月の「団内アンサンブルコンテスト」で、2008年度に向う《EST》の基礎体力を付け、今年度にステージに載せる全曲の譜読みを終え、2008年度の“ヴィジョン”を確認し合い、新組織を固めました。新メンバーもたくさん加わり、新たな《EST》のサウンドを模索してきました。

 それらが、5月からの毎月の本番演奏で
どう花開くか! わくわくしてきました。
 
 まずは、『第18回コーラスワークショップinみえ〜特別コンサート』です。

 プログラムは、
「三重五章」序章 a.鈴鹿馬子唄 b.櫛田川舟歌 柴田 南雄
「三重五章」第二章 b.伊勢の手まわし 柴田 南雄
Lugebat David Absalon よりSecunda Pars Gombert
Drei Motetten Op.69よりHerr, nun laessest du dainen Diener Mendelssohn
Salve Regina Schubert
The Lily and the Rose Cilcott
The Runner Cilcott
Dance in the Street Cilcott
 の8曲。
 
 「三重五章」は、昨年の宝塚国際室内合唱コンクールでグランプリを頂き、台湾公演と地元での定期コンサートでも演奏した作品です。全国の合唱ファンが三重県に集うということで、再演を決めました。江戸時代、伊勢神宮を目指して、全国から賑やかに集まってきた庶民の姿を描きます。演奏スタイルは、シアターピース。響きのいい三重県文化会館の客席全体が、鈴鹿馬子唄と櫛田川舟歌で満たされます。作曲家柴田南雄の世界を堪能していただければ幸いです。当時の着物姿で歌います。
 
 続く3曲は、聖書の世界を、ルネサンスポリフォニーと、前期ロマン派の音楽で。
 
 Gombert のLugebat David Absalonについて。紀元前10世紀。イスラエル王ダビデは、自分の息子アブサロムと、敵味方に分かれて戦うこととなってしまうのです。「戦いには勝たねばならぬが、息子には死んでほしくない!」。そんな、王でもあり父親でもある故の葛藤は、報われるはずもなく、息子の亡骸を前にして、ダビデは、声を上げて嘆き悲しむのです。そのシーンをこの作品では8つもの声部によるポリフォニーで描き上げています。8声部ならではの音楽的な陰影は、人間の葛藤や悲しみを奥深く表現しています。作曲家ゴンベールの名曲です。
 
 続く、Salve Reginaは、聖母マリアを称え、救い主の誕生を懇願するというテキストです。マリア様へのさまざまな感情を、ロマン派初期のシューベルトの音楽様式に沿って愛情深く表現できればと思っています。
 
 Herr, nun laessest du dainen Dienerは、イエスの誕生を見届けたシメオンという大司祭が「主の予言どおりだ。これで私はこの世を去ることが出来る」と感謝の祈りを捧げます。その感謝の感情が、メンデルスゾーンの美しく整ったポリフォニーに深く込められます。

 最後の3曲は、来日されているチルコット氏の作品です。きっとこの日、会場で聴いて頂ける事と思います。情感豊かな
The Lily and the Rose、ユーモラスなThe Runner、踊りたくなるDance in the Street。 たった3曲ですが、チルコット氏の多彩な世界を披露できることと思います。ご期待下さい。

 《EST》は、この数ヶ月の間に、たくさんの新メンバーを迎えました。特にソプラノです。それに伴ってサウンドがまた新しくなりました。初心者や10代のメンバーが多いのですが、皆熱心です。私は、伸びたいという気持ちがあるメンバーがどこまでも伸びられる体制でありたいといつも思っています。個人ヴォイストレーニングや少人数アンサンブルなどを常に取りいれて行きたいと思っています。自分の歌が伸びたと感じる喜びは大きいですからね。

 新緑の季節である5月。《EST》のサウンドも爽やかでありたいと思っています。後2回の練習を頑張ります。


 





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2008.4.25

「ポップスを歌うことで得られるもの」〜ヴォーカルアンサンブル《EST》の場合〜


 『ポップス』は、クラシック音楽や民俗音楽とは区別されるポピュラー音楽のジャンル。人々が理解・共感・参加しやすいような特色を多く備える。その特色とは例えば、感情を歌うスタイル、愛情または性についての歌詞、ダンス向きの拍子、クリアなメロディー、簡素なハーモニー、および反復構造などである
。 
 
 ポップスは楽しい。カラオケで歌うのも楽しい。簡単なハーモニーをつけて仲間と歌うのも楽しい。しかし、時間やお金を使って集いあう『一般合唱団』で歌うとしたらどうか。実り多い活動にするには、「ポップスを歌う」意義や選曲上の留意点を、今一度確かめておく必要があるだろう。

1.意義

 「ポップスを合唱で」。その意義は何だろう。私は、ポップスの持つ「流行性」と「解放性」という2つの特性に注目している。

 「流行性」とは、親しみやすさのことである。これには歌い手と聴き手に一体感を持たせやすくする効果がある。また、それまで合唱にあまり興味を持っていなかった聴衆をもその世界に引き込んでしまう力がある。

 「解放性」とは、解き放つ力のことである。これは心身を伸びやかな状態に導いてくれる。そうすることで声に、音楽に、新たな可能性が生まれる。そして時には動きを伴う楽しいパフォーマンスをも実現させてくれるのだ。

 このような特性によって身につく要素は、ポップス以外の作品のアプローチにも活きてくる。結果として合唱団のトータルな音楽活動を豊かにしてくれる。「ポップスを歌う」意義はそこにあると私は考えている。

2.選曲

 指揮者にとって最も大切な仕事の一つが“選曲”である。それによって、その後の練習やイベントに向けての団体のキャラクターがほぼ決まってくるからだ。
まずは、「合唱団がどうありたいか」というトータルヴィジョンを確かめる。次に、ヴィジョンに従って年間のトータルな選曲イメージを描く。そしてその中でポップスの占める割合や、他のジャンルとの相互関係を考えるのが良いだろう。バランスよく取り上げることが大切である。

 選曲に欠かせないのが、アレンジの分析である。各パートの音域、伴奏楽器の有無や種類、人数の適正規模、和声進行などの構造の魅力度、振り付けなどパフォーマンスの可能性……。同じ原曲でも複数のアレンジを比較して、時間をかけて選び抜きたい。

 そうやって選んだポップスを、歌う。結果として、「アカペラの斬新なハーモニーの作り方」や「振り付けや全身で歌うことで得られる音楽的なアピール」、「リズムや言葉の伝え方」等が習得できれば占めたものだ。それは、ポップス以外の様々なレパートリーに応用できる。

3.ヴォーカルアンサンブル《EST》の場合

 私が音楽監督を務める「ヴォーカルアンサンブル《EST》」内には、「《EST》スコラーズ」というグループが存在する。これは、各パートの核となるメンバー、計10数人で構成されたものだ。年1回の演奏会、学校への招待ステージなどの発表機会がある。レパートリーはすべてのジャンルに及ぶ。しかしポップスの占める割合も多い。これは、少人数アンサンブルに適した、しかも聴衆と繋がりやすい選曲を心がけているためである。

 具体的には、ビートルズの“ブラックバード”“ペニー・レイン”“オブラディ・オブラダ”“ヘルプ”など。日本の作品では、“トトロメドレー”“花”“島唄”“別れの歌”“上を向いて歩こう”“道化師のソネット”“千と千尋の神隠し”など。ワールドミュージックなら “チリコンカルネ”……。こうやって書き並べていると、その時その時のステージパフォーマンスが思い出され、楽しい。

 実は、このような「《EST》スコラーズ」の活動が、母体である「ヴォーカルアンサンブル《EST》」に良い影響を与え続けているのだ。

 「ヴォーカルアンサンブル《EST》」が好んで取り上げるレパートリーに、南アジアや中南米の現代作曲家の作品や、世界の民俗音楽のアレンジ作品がある。これらの多くに、ポップスの要素が多分に含まれている。これらには、クラシックの様式感へのアプローチとは別次元のものが必要なのだ。そこに、「《EST》スコラーズ」が培ってきたものが活きてくるのである。

 念のために申し添えておくが、40数名のメンバー全員でポップスを歌うことは滅多にない。しかし、「《EST》スコラーズ」のポップスを歌うことを含む活動が、「ヴォーカルアンサンブル《EST》」のトータルな音楽活動をさらに豊かなものにしていることは間違いないと私は考える。

4.最後に

 以上、ポップスの特性に焦点を当てて、私の考えと「ヴォーカルアンサンブル《EST》」の音楽活動の一端を述べた。
「ポップスを歌う」ことで表現の幅が広がり、それ以外の様々なジャンルに応用できるなら嬉しいことだ。それによって、さらに多くの人々と心を開き合い、繋がり合いたいと思っている。



 
上記の文章は、季刊『合唱表現』(合唱表現研究会 代表:松下耕 東京電化株式会社)から依頼を受け、同誌2008年5月発行に掲載されたものです。









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2008.5.8

『第18回コーラスワークショップinみえ 特別コンサート』を終えて


 2008年5月4日に三重県文化会館で催された、『第18回コーラスワークショップinみえ〜特別コンサート』。ヴォーカルアンサンブル《EST》は、合唱団ノースエコー、岡崎混声合唱団と共に、その重責を果たしました。関係されたすべての皆様に感謝です。

 それにしても、今回は、「何とか本番帳尻を合わせることが出来た・・・」という感想です。その一つは、いつも《EST》の音楽を支え、音楽的ムードメーカーともいえるトレーナーの長島さんと、そして、新《EST》スコラーズの2人(ソプラノとテナー)の、計3人が欠場だったからです。特に、ソプラノにとっては、音楽の核となる2人がいないということが、これほど大きな影響を及ぼすのかと、身に沁みました。

 本番前の練習は、“音楽の型”から出て欲しいもの。いつもなら、音楽をメンバーから仕掛けてくる感覚があるのですが、それがソプラノから出てこない。従ってソプラノばかりに私の要求が行きます。だんだん音楽が沈んでいく。苦しい。他パートまで重い雰囲気・・・・。燃えるような、ほとばしるようなものが見られなかったのがとても私の焦りに繋がってしまいました。今から思い出すに、各メンバーはそれなりに、いつものような心掛けで練習に臨んだのだと思います。もっと現状に沿った練習が出来ればよかったのだと思います。予想し得たことだったのになあ。

 背に腹は変えられず、前日練習の録音を夜中に聴きなおし、楽譜にチェックし、当日練習のスケジュールを立てる私。睡眠時間は3時間でした。

 そんな中で迎えた当日。新メンバーも含め、すばらしい結束力を見せてくれました。体を張ってリーダー役を務めた近ちゃん! 三重五章の重要なソロを最後まで深め続けた大西さん(本番が一番上手くいったね)。他の皆も覚悟を決めて本番に向いました。ソプラノは前日とは一皮も二皮も剥けた姿となりました。他パートも乗り乗り。本番直前まで円になって歌ったりしていました。その姿は、いつもの《EST》でした。もがき苦しんだ甲斐があったと安堵感に包まれて皆を見る私。

 今回は、40人がステージに上りましたが、その中でコンサート初出場の新メンバーが8人も。8人ともよくやってくれました。またメンデルスゾーンのカルテットの部分のパートソリストには、10代のメンバーが2人も(脇山さん、稲林君)。若手が伸びてきているのは嬉しい限りです。

 さて、本番の演奏。
 
 シアターピースとして演奏した『三重五章』。満員のお客さんの中を2階席から鈴鹿馬子唄、そして櫛田川舟歌が聴こえてきます。少しして、客席のあちこちから重なるように歌が増えてきます。歩きながらです。そうやってお伊勢さんを目指す庶民の姿を写し出せたのではないかと思います。手ぬぐい帽子から草鞋まで(上から下まで)、伊勢観光協会にお世話になっての完全衣装です。今回は私も衣装で。語りの3人、最後の音響までうまく決まり、大きな拍手を頂きました。

 後半のステージでは、ゴンベールの様式感が並びの工夫などにもより、うまく出せた気がします。シューベルトとメンデルスゾーンは、よくまとまった繊細な演奏ではありましたが、ダイナミックスやスケールの点で課題が残りました。チルコットの作品群は、演奏前に私の紹介にご本人が客席でお立ち頂いたこともあり、喜び一杯で演奏できました。「Runner」では、メンバーの中の最年少である稲林君がランニングシャツと短パン(超短い)にさっと着替え、ステージから客席の最後列まで走っていくパフォーマンス。客席のチルコットさんに『ユリと薔薇』の花束まで手渡して(The Lily and the Rose)ステージに戻ってくるなど、会場は大いに楽しんで頂きました。

 終わってみれば楽しい時間でした。打ち上げも盛り上がり、ほっと胸を撫で下ろしながら、お酒を飲みました。愛知の2団体も若手が大半を占める元気一杯の雰囲気。打ち上げの盛り上がりはすごかったです。

 今年度一つ目のステージが終わりました。すでに、私なりに、今までの練習の持って行き方の反省、今後の練習方法など、溢れるようにアイデアが出てきています。次週からの練習でそれらを出して行きたいと思っています。可能性を一杯秘めたメンバー達と、全身全霊で音楽して行きたいと思っています。

チルコット先生から、直筆のサイン色紙をプレゼントして頂きました。 (2008.5.5)









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 2008.7.1

県合唱祭を経て夏へ!!




 2007年6月15日、ヴォーカルアンサンブル《EST》は、三重県合唱祭に出演しました。

 演奏曲は、佐藤賢太郎氏のGloria。秋のコンサートのサブタイトルである、『今を共に生きる世界の作曲家』のお一人。アメリカで活躍中の作曲家です。
   
   心地よく流れるサウンド、純粋なハーモニー、わかりやすい構造・・・・・ 今や人気急上昇の作品。練習も、新鮮な雰囲気で作品の持ち味に浸ることが出来ました。
    
  歌ってみると難しい! 特にソプラノは、16分音符が延々と繋がるフレーシング。まるで、バッハのようです。また、縦のハーモニーのバランスを作るのも頭が要ります。つまり、知的作業の必要な作品。裏を返すと、聴きあい、心寄り添わせて作っていくのに最適。《EST》は、この作品を通じて、室内楽的な感覚、聴きあう精神を育てることが出来ました。
   
   本番は、力を抜いてほのぼのとしたやわらかい音空間を作ることができました。何か、振り終えた後、すーごく幸せでした。(その後の練習で「今日は何かウキウキしてますねー」とメンバーから言われたほどでした)。佐藤賢太郎作品。お勧めです。
  
 さて、恒例の屋外演奏も、佐藤賢太郎作品でした。今年度《EST》スコラーズのデビューステージです。Love on Fire と Sweet Days。こちらも、楽しく、そしてしっとりと聴かせてくれました。You Tubeで動画が見れます。 

《EST》スコラーズ

《EST》スコラーズとは、全体練習、パート練習、個人練習をリードする団内の小アンサンブルグループです。
毎年2月の団内アンサンブルコンテスト後に改選され、《EST》全員でのステージの他、スコラーズ単独のステージを持ちレパートリーを披露します。

7代目(2008年度)メンバー(◆=パートリーダー)

Sop. 細 野 裕美子 / 長 島 あかね / 近 藤 香 織 /  東  美 沙
Alt. 山 羽 貴久子 / 常 住 光 子 / 荒 木 茉莉子 / 脇 山  茜 
Ten. 福 本 三 喜 / 松 井 佑 輔 / 吉 村 友 宏
Bas. 橋 爪 大 輔 / 寺 田 昌 樹 / 常 住 信 教
   
 さて、ゴールデンウィークからこの日までの《EST》を振り返っておきましょう。メンバーは、ソプラノとテナーに、10代の若いメンバーが加わりました。ベースに「育児休団」(笑)をとるメンバーなど、いつものことですがメンバーは常に固定はされません。その都度、《EST》サウンドも微妙に変化を見せます。
   
 
  一番変化したのは、ソプラノでした。春の状況から何とか抜け出ようとしてくれたのでしょう。新スコラーズのメンバーがソプラノの発声をマンツーマンで見たり、パート練習を増やしたりと、非常に盛り上がってくれました。意識の持ち方で声は変わるものです。核のメンバーたちの声にも磨きが掛けられ、力強いパートに復活しました。嬉しい限りです。入院が続いている長島さんもこのサウンドを聴けばきっと喜んでくれることでしょう。
   
   ソプラノは、《EST》のムードメーカー的存在。従って、他パートも、特に若いメンバーが頑張っています。それを支える《EST》スコラーズのメンバー達。また、メンタルな面においても、非常にいいまとまりを見せてくれています。みんなが自分の出来ることをやっている。ですから非常に仲がいいのです。この状態なら、11月までのたくさんの本番で、いい音楽が出来そうです。
   
   私は、《EST》の仲間に誇りを感じます。《EST》を支えてくれるメンバーが増えてきました。イコール、音楽に幅が出てきました。春は、“何とか引っ張らなきゃ!”と余裕のない接し方をしていましたが、ここに来て、みんなから出てくるものを受け止めて膨らますような方向で、練習できるような気がしています。
   
   7月末の『宝塚国際室内合唱コンクール』には、5チームが参加します。もちろん、こんなにたくさんのチームで参加するのは初めてです。各チームが10分以内ですから、50分弱の音楽をするわけです。1昨年のアレッツォの時のような燃える夏となりそうです。

   









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2008.7.28

宝塚国際室内合唱コンクールで《EST》メンズクワイヤが総合3位!〜全部門に混・男・女・5団体出場

 

 2008年7月26日、ヴォーカルアンサンブル《EST》は、宝塚国際室内合唱コンクールに出演しました。12回目の出場です。
 《EST》メンズクワイヤ
コンクール

 合唱の原点ともいえる8人から20人までの少人数編成の合唱団によるユニークでハイレベルな国際コンクール。第24回を迎える今回は、前回同様、ロマン派部門、シアターピース部門、ルネサンス部門、フォークロア部門の4部門で実施されました。

 今回の《EST》は、“フォークロア部門”に出演した、《EST》メンズクワイヤと、アコール《EST》が、金賞を受賞、さらに、《EST》メンズクワイヤは、全部門総合3位を受賞しました。

第24回宝塚国際室内合唱コンクール入賞団体詳細はこちら


 審査発表のときの《EST》の男声陣の雄叫びは、物凄かったです。それもそのはず、《EST》メンズクワイヤは、女声で構成するアコール《EST》に遅れること9年! やっと、金賞を受賞することが出来たのですから!! (総合3位は、アコール《EST》に遅れること8年!


《EST》の活動記録

 さて、今回は、全4部門に5団体の出場でした。みんなよくやってくれたと思います。金賞こそ受賞できなかった他部門も上位3団体の中に入ることが出来、達成感ひとしおです。

 当初、5団体とも本選出場が決まった時、私は、「全部門に出場できることで、ルネサンスからシアターピースまで、カテゴリーに偏らないバランスのいい音楽活動が出来るよ!」とみんなに言いました。また、「海外のコンクールのレパートリーは1時間にも及ぶ。そのことを考え、つまり、海外のコンクールに行く気持ちで取り組もう!」とも。その言葉をメンバー達が真摯に受け止めてくれて、前向きに取り組んでくれたことを、誇りに思っています。

 課題も見つかりました。様式感の必要なカテゴリー(ロマン派、ルネサンス)では、どうしても様式感を突き抜ける主張という点で、表現が消極的になってしまう。これは、フォークロア部門でテンション高く演奏できたことと比較してわかったことです。次の機会には、両立させたいものです。

 宝塚のステージが初めてだったメンバーが何と10人! 《EST》は、今、伸び盛りです。それらのメンバーが、ステージ上で、審査員の方々から金メダルを掛けていただいている。(このコンクールは、歌い手全員が表彰されます。) この光景を見るのは新鮮で嬉しかったですね。参加者全員が金メダルというのは初めてでしたから。


「街角コンサート」と「入賞団体による演奏会」

 このコンサートの前日に、いつも催されている『街角コンサート』。阪急宝塚駅の一角にイスを並べ、道行く人たちが足を止めてしばし、耳を傾けてくれます。このコンサート、金曜日と言うこともあり、今まで参加できなかったのですが、今年は、委員会からの依頼もあり、思い切って、参加しました。

 なかなか、いいものでした。「夢みたものは」と「ふるさと」を演奏しましたが、「ふるさと」は、お客さんをぐるッと囲み、お客さんといっしょに歌いました。見知らぬ人とのひと時の歌い合う交流。歌の原点を楽しむことが出来ました。バルセロナでの公園でのゲリラ演奏(バルセロナでの11日間(8)〜観光しながらもゲリラ演奏、その結果は?(03/8/20
を思い出します。


 翌日は、『入賞団体による演奏会』への出演。フォークロアで歌った男声・女声の曲を中心に、下記の7曲を演奏しました。
田の草取り唄 間宮 芳生
Balta Gaja Serdienite(ラトヴィア民謡) S.Mence
米搗唄 間宮 芳生
Dulaman(アイルランド民謡) McGlynn
コンポジションY−U 間宮 芳生
Cibavit eos William Byrd
ふるさと 信長 貴富
 前日の晩、飲みに飲んだと思われる男性陣も本番にきっちり照準を合わせてくれました。最後のふるさとは、情感たっぷりに演奏することが出来、宝塚の3日間は目出度く終了したのでした。

P.S.
 今、《EST》には、お二人の団員ヴォイストレーナーがいます。その一人である長島あかねさんは、ソプラノの核。今は、お子さんが生まれ産後休団中。そのため、5月のコーラスワークショップから、ソプラノは、彼女抜きで頑張ってくれています。ソプラノはその頑張りが結果に出てきつつあり、頼もしい限りです。また、もう一人は、山本哲也氏。彼の個人レッスンが、特に今回の男声のレベルを技術的に上げてくれました。お二人とも、私のヴィジョンや音楽を良く理解され、フォローを惜しまず、いい関係でいてくださいます。ありがたいことです。やがて、2人体制になって、全パートが充実してくる時が楽しみです。


 第24回宝塚国際室内合唱コンクールの表彰式等の画像







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2009.1.15

愛知県の中学校の合唱祭にゲスト出演

 

 2008年10月23日、ヴォーカルアンサンブル《EST》は、愛知県豊田市立井郷中学校の合唱祭にゲストとしてお招きを受け、約50分のステージを持ちました。

 平日の行事への依頼。メンバー達は初めは依頼を受けるかどうか戸惑いました。しかし、「有給をどう意味深く使うか」「授業と公演との選択」など、深く考えてくれました。先方の校長先生からの推薦状も頂き、30数名の参加となったときは、嬉しかったです。

 《EST》のある高校生メンバーは、親子で担任の先生と話し合ってくれました。担任の先生は、「授業を1日休んでもそれ以上に意義のあることだ。行ってこい!」と励まして下さったようです。素敵な先生(笑)!

 井郷中学校の担当の先生は、《EST》のCDをお聴きになり、2007年秋のコンサートにも足を運ばれ、ここを呼ぼうと決断していただいたとのこと。合唱溢れる学校にして行こうと言うすばらしいビジョンをお持ちのこの先生のご意志に私は「報いたい」と強く共感したのです。《EST》の音楽をこのように必要としてくださる事は、私達にとっても嬉しいことです。彼のエネルギーが、《EST》のメンバーにも届いたのだと思います。

 かくして依頼をお受けすることになり、選曲や、進め方、全体合唱や歌唱指導、私のクラス合唱への講評のタイミングなど、担当の先生とやりとりが進みました。その結果、決まったプログラムは下記の通りでした。

オープニング 携帯切らなきゃお仕置よ 松下 耕 2.0 スコラーズ女声 替え歌メロディー
挨拶 解説
@合唱音楽の歴史 (グレゴリオ聖歌)Dominus Dixit ad me 1.0 単旋律の教会音楽
Cibavit eos William Byrd 2.9 ルネサンス時代の音楽
解説
A男声合唱 Dulaman McGlynn 1.9 メンズ(男声) アイルランドの労働歌、土着的リズム
コンポジションY−U 間宮 芳生 2.3 メンズ(男声) 日本民謡、土着リズム
解説
B女声合唱 かんかんかくれんぼ 信長 貴富 4.3 アコール(女声) 客席部分も使うシアターピース
Diu Diu Dang Ah(宜蘭民謡) Chien Shan-Hua 3.3 アコール 台湾版「汽車ぽっぽ」振り付き
解説
C合同合唱 翼を下さい(中学生による指揮と伴奏) 5.0
解説
D声のアンサンブル Love on Fire (Three Love Songs)(アメリカ) 佐藤 賢太郎(1981) 1.7 スコラーズ 少人数アンサンブル
解説
E混声合唱 Sweet Days(アメリカ) 佐藤 賢太郎(1981) 2.9
The Runner Cilcott(1955) 2.5 ランナーの走る姿をリアルに表現
Que rico e (Mambo) なんてすてきなんだ Guido Lopez−Gavilan(1944) 4.2 マンボを素材にした楽しい曲、振り付き
花束 34.0
解説などを入れた計 50分

 本番は、豊田市コンサートホール。豪華絢爛なホールでした。こんな場所でクラス合唱が出来るなんて、なんて幸せな生徒さんたちでしょう。その生徒さんたち、私達がホール入りした10時には、もう熱心に練習する姿が。本番の進行もすべて生徒さんたち。先生方の的確なフォローの中、保護者の方々も客席に沢山入り、盛大に催されたのでした。

 《EST》の演奏も、私の解説も、中学生が対象ということで楽しい雰囲気で進めました。オープニングの「携帯切らなきゃお仕置よ」から大笑いしていただきました。「The Runner」では、上記の高校生、稲林君が、客席を走ってくれました。振りつきの曲が多かったのが良かったと思っています。

 あっという間の一日でした。私達全員の昼食と三重県からの交通費全額を大きく上回る高額なお礼を頂き、恐縮しました。井郷中学のこれからのご発展をお祈りします。

P.S.この後、2009年6月12日の“豊田市合唱祭”へのゲスト依頼が来たのですが、私の予定が合わなく、お断りすることになってしまいました。申し訳なかったです・・・。 






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2009.1.21

第16回コンサート『今を生きる世界の作曲家』は、ゲストにKen-Pをお迎えして

 2008年11月9日、ヴォーカルアンサンブル《EST》第16回コンサート〜今を生きる世界の作曲家が、三重県文化会館大ホールで催され、814名というたくさんのお客様に恵まれました。

 このサブタイトルは、前年の秋には決まっていました。全員ミーティングで珍しくスッと決定し、文字通り、現代作品ばかりが集められたのでした。

 《EST》には、選曲のマニアのような頼もしいメンバーがたくさん出てきています。現代作曲家物のコレクター中山君、アイルランドフェチ(笑)の文化人類学者平山氏、男声合唱通の三木君、ロマンから派生する作品のコレクター常さん、マルチの寺田君、今回はプログラムには入らないもののルネサンス通の麻生氏。私も劣らず・・・と思いながらも、彼らの推薦曲の中から選んで、ひとつのテーマ性のあるステージの流れを作っていくのが私の役割となりました。

 沢山の作曲家に触れたいとの思いと、一貫した流れを作りたいという両面から、今回のプログラムは下記のようになりました。
Op.
携帯切らなきゃお仕置よ2007 松下 耕

ミサで結ぶ世界の祈り

3 Mottetti Latini 1982 “Ave Maria” La Cour(1944)
(グレゴリオ聖歌)Dominus Dixit ad me[一部分]
Misa for unaccompanied choir “Kyrie”(フィリピン)1982 Cayabyab
Misa pro Pace “Gloria”(アメリカ) 佐藤 賢太郎(1981)
(グレゴリオ聖歌)Tecum principium[一部分]
Mass From Two Worlds“Credo”(アルゼンチン) Quintana
(グレゴリオ聖歌)Laetentur caeli[一部分]
Missa In Deo salutare meum “Sanctus−Benedictus”(フィンランド)1986 Kostiainen(1944)
Misa X “Agnus Dei”(キューバ) Beatriz Corona
(グレゴリオ聖歌)Insplendoribus sanctorum[一部分]
3 Mottetti Latini 1982 “Hodie Christus” La Cour(1944)

フォルクローレ

米搗唄 間宮 芳生
コンポジションY−U 間宮 芳生
田の草取り唄 間宮 芳生
かんかんかくれんぼ 信長 貴富
Balta Gaja Serdienite(ラトヴィア民謡) S.Mence
Diu Diu Dang Ah(宜蘭民謡) Chien Shan-Hua

アイルランドの3つの歌

An Oiche McGlynn
Dulaman McGlynn
When the War is Over McGlynn

アメリカとキューバのサウンド

Love on Fire (Three Love Songs)(アメリカ) 佐藤 賢太郎(1981)
Sweet Days(アメリカ) 佐藤 賢太郎(1981)
hope,faith,life,love (three songs of faith)(アメリカ) Whitacre(1970)
Que rico e (Mambo) なんてすてきなんだ(キューバ) Guido Lopez−Gavilan(1944)

 特に前半ステージでは、グレゴリア聖歌を挟みながら、ミサ聖祭の儀式のお話も加え、一人一人がろうそく(ペンライトを改良)を携えて演奏しました。これにより、全く趣の異なる各国のミサ曲を一つのまとまりとして演奏できました。また、フォルクローレのステージでは、振りを入れたり、会場全体を動いて響きが広がるよう工夫しました。

 オープニングの「携帯きらなきゃお仕置きよ」やアンコールでの「ランナー」は、会場がどっと受ける演出。またアンコール3曲目は、「ふるさと」(信長)をバルコニーや3階席からも声を響かせました。2番からのこの演出に、お客様方は、あちことを見上げながら、360°の響きをたっぷり楽しんでいただけました。

 そして、何と言っても最大のサプライズは、アメリカで大活躍の作曲家、Ken-Pこと佐藤賢太郎氏に登場していただけたことでした。直前に決まった彼のご来場。それなら!ということで、インタビューに答えていただいたり、作品の説明をいただいたり・・・・。

 しかし、最大に盛り上がったのは、彼のデビュー作である、“Sweet Days”を彼自身がテナーに入って一緒に演奏に参加していただけたことでした。後ろ髪をウエストまで伸ばした26歳の彼は、芸能界の人のような華がありました。その彼が入っての演奏。曲が終わり、私と握手した時の会場の興奮の拍手の大きかったこと! 忘れられないシチュエーションでした。

 下に、チラシやプログラムの私のあいさつ文を記録しておきたいと思います。

コンサートに寄せて

私達と“今”を共に生きる、世界の作曲家達。
彼らからのメッセージを受け止め、表現したい。
もちろん、音を介して・・・・。
今回のコンサートはこの一点に尽きます。
登場する作曲家は、(中略)。北欧から南米まで、総勢14人の魅力的な作品を演奏します。

思うに、何て世界は広く深いのでしょう。
何て人間は愚かでしかも愛しいのでしょう。
私達はせいぜい数十年しか生きられませんが、一人一人の生き様の積み重ねが、何千年という人間の歴史を作り上げてきました。
そして、“今”の私達の営みが、未来への希望に繋がっていきます。
“今”という時空の大切さ、私達の生きる意味はここにあるのだと思います。

“今”で繋がっている世界中の作曲家達と私達。
大いに祈り、大いに願い、大いに歌い、聴衆の皆様とも想いを共有したいと思います。
そのことで、愚かでも美しく、愛しくも儚い、私達人間の本質に迫れたなら・・・・。
ご挨拶

『今を共に生きる世界の作曲家』と題する今回のコンサート。
ルネサンス時代の音楽を基本として世界の様々な音楽に取り組んでいるヴォーカルアンサンブル《EST》の、一つの節目となるコンサートです。
“今”を生きる私たちは、何を受け継ぎ、何を残して次の時代に繋いで行けばいいのでしょうか。
そのことを、10カ国14人の“今を共に生きる”作曲家の作品に取り組みことで、考え、音に託し、皆様と想いを同じくしていければと思います。
世界は広く、歴史は深いものです。
しかし、その中で、我々の感覚は、“今”をキーワードにして共通していると信じます。
たとえば生と死、たとえば愛、たとえば未来への願い・・・・・・。
その“共通するもの”でホールが満たされ、次の時代に?いで行く何かが見つかれば、こんな嬉しいことはありません。

なお、今回のことを14人の作曲家の方々にお知らせしたところ、Ken-Pこと佐藤賢太郎氏がご来場していただけるという吉報を得ました。
また、3名の方々から、プログラムメッセージを頂きました。心から御礼申し上げます。

 今回もたくさんのメールやアンケートで、お客様のお考えを知ることができました。一つだけご披露させてください。下の彼は、何と関東からわざわざ来てくださった高校生です。昨年も来てくださり、今年は、ロビーでの1年ぶりの再会。こちらが感激しました。アンケートにも一杯書いてくれましたが、翌日にもメールを頂きました。

昨日は素晴らしい演奏をありがとうございました。
○○県の高校3年生、○○○○です。


《EST》の演奏は「聴かせる」だけに留まらず「聴かせて、魅せる」感じで聴くたびに唸ってしまいます。(まだ生では3度しか聴けていませんが汗)
《EST》の演奏力の高さと向井先生の指導力が合わさって、あのような素晴らしい舞台が生まれるのでしょうね。
すごく刺激になります。

三月の定期演奏会で僕達の高校が歌った「El Guayaboso」を添付しておきます。
よかったら聴いてみてください。

「Que rico e」の楽譜の方もよろしくお願いします。

昨日はKen-Pのサインも貰えて本当に幸せな日でした。
来年も必ず聴きにいきます。


それでは、失礼します。

 というように、彼は、《EST》で感激した曲を楽譜を手に入れて、母校で演奏しているのです。将来大物になりそうな嬉しい予感。こういう若者に出会うと未来を感じます。ただ、「Que rico e」の楽譜は、キューバの作曲者ガビラン直々にメールでお願いしていただいたものですから、彼には、作曲者のメールアドレスを教えたに留まりました。「英語で頑張ってメールします。」と言ってくれましたが、その後、うまく行ったのでしょうか。

 大きなイベントでした。打ち上げは、Ken-P中心に盛り上がったことは言うまでもありません。この勢いで2週間後の全国大会へとノンストップで進んだ《EST》。その話は次回に。







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2009.1.26

“文部科学大臣賞”再び 〜今年の全日本合唱コンクール


 2008年11月23日、ヴォーカルアンサンブル《EST》は、岡山シンフォニーホールで催された、第61回全日本合唱コンクール全国大会にて、一般B部門(32人以上の部)“金賞”“文部科学大臣賞(1位)”を受賞しました。

 昨年度から、大編成合唱団として、全日本コンクールに参加していますが、2003年度の小編成部門での“文部科学大臣賞受賞”に続き、今年、大編成部門でも再び受賞できたことは、《EST》にとって誉れ高きことでした。もう2ヶ月以上も前のこととなりますが、振り返っておきたいと思います。


 8月の県コンクール、9月の中部支部(7県)コンクールは、前年度全国大会で1位2位の団体はシード権が与えられるというルールが適応され、シード団体として出場しました。中部大会は、富山県。バスを借り切り、6時間も掛けて到着。帰りは深夜12時を超えているというハードスケジュールでした。8月は、若手新人の多いソプラノでまだまだ声の幼さが課題となっていましたが、9月の演奏は、ソプラノも伸び、かなり手応えのあるものでした。

 当たり前とは言え、メンバーの入れ替わる毎年。昨年以上の音楽を目指すには、いつも一からです。今年は、たくさんの新たなメンバーが育つことが最大課題だったのですが、この時期、いい新人メンバーに恵まれたということが演奏で分かってきた時でした。

 10月の招待演奏会、11月の定期演奏会も無事終え、後2週間。この2週間の練習は、私自身、大変気合の入ったものでした。和気藹々と練習したいメンバーには、大変だったかも。しかし、「こういう練習がしたかった!」と後から伝えてくれたメンバーも。なかなか、全員が喜ぶ練習というのは難しいですね。信念を持ってやり切るしかありません。

 ルネサンス時代の様式感を見直し、現代のサウンドの心地よさを追求し、音楽的なインパクトを浮き立たせ、振り付けを含むエンターテイメント性を掘り下げ・・・・各曲の完成に向かいました。それは岡山での当日練習でもベクトルを伸ばし続けました。ぎりぎりまでの音楽追求。言い換えれば「何とか間に合ったあ(笑)」。

 岡山シンフォニーホールは、とても歌いやすいホールだったようです。「離れたパートの声が聴こえ難いのでは」等、いろんな憶測が飛びかいましたが、慎重に耳を使うことを意識してステージに立った結果、それほどでもなくよかったと思います。やはり、響きのいいホールがいいですね。演奏者にとっても、聴衆にとっても。ですから、今年は、聴衆にとってもいいコンクールだったと思います。音楽会だと思えば響きのいい方がいいに決まっています。

 それだからでしょうか。お客様の反応がものすごく良かったのです。ステージに出た瞬間、満員のお客様の大きな拍手。演奏を始めると水を打ったような空気。1曲終わるごとに空気が和み、咳払い。またシーンと次の曲を待つ緊迫感。最後の振り付けが決まったときの大きな拍手と笑い。すべてが、海外のコンサートのような・・・。私も思わず、最後の礼を手を挙げてみんなを紹介するような仕草で・・・。楽しかったです。

 一昔前の、ピリピリした雰囲気のコンクールを変えたいと思っていました。海外のフレンドリーな空気を演奏側から放出できないかと。そのことを考えている合唱団が増えてきたのだと思います。聴衆もそれを求めてると思います。みんなが動いて、日本のコンクールを少しずついい方向に変えて来ている。嬉しいことです。

 審査発表で「文部科学大臣賞!」とアナウンスされたとき、会場での《EST》メンバーの喜びようはいつもながらすごかったです。また、表彰式のステージ上で賞状を受け取るシーンで、客席の《EST》メンバーは全員が立って最後に演奏したマンボの「ウ〜!!」という掛け声を振りを付けてやってくれました。高校生より無邪気(笑)の喜びを表してくれたのが印象的でした。

 仲間との打ち上げや、懐かしい人達との再会も嬉しかったです。

 コンクールは終わりました。しかし、5月のフランスでの国際コンクールに向けて、またすぐに歩みだします。《EST》の大きなヴィジョンである、“世界の舞台での発信と吸収”。これに向けて、今回のコンクールが一つの大きなステップになったことは間違いありません。







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