|
東海道線天竜川橋梁 建築中 |
佐久間ダム建設にともなう代替線路決定のために付近の地質を表した図です。旧線の天竜川と新線の水窪川の間を「中央構造線」が通っています。日本列島を南より押し上げる力が作るこの巨大な谷に並行して数個の断層が見られます。 渡らずの鉄橋を造るに至った水窪川左岸(東側)の天竜川断層が存在し、非常にもろい地質の原因となっています。まさに水窪新線はこの天竜川断層に沿っているのです。 |
![]() |
|
|
水窪線のほかに計画線が「大入川線」の名で示されています。長大トンネルはキビウの1本で済みますが線形が悪く、これでは373系の快走は望めません。さらに大笹、田鹿、横林の各駅も「小和田駅」と同じ性格です。なんといっても水窪は火伏の神様秋葉神社への信仰の道、秋葉街道の要衝であり、この経済効果は無視するわけにはいきません。 |
![]() |
|
|
向皆外トンネルを含む当初の崩落により放棄された線路と橋梁としてこれを迂回した現線路の両方が示されています。 旧線路はトンネルを最短にするため勾配が偏っており、地形に自由のある橋梁(現線路)では、一様な勾配となっています。16本の橋脚と22.3m×10連、34.0m×5連の橋桁が描かれています。 |
![]() |
|
|
第6水窪川橋梁付近の配線図です。図の下側、水窪川の左岸によく見ると旧線と書かれた破線があり、その中央部にトンネルの表示があります。 これが向皆外トンネルで崩落のため放棄したものです。 この代替案として新たなトンネルの掘削もあったようですが結局、川の上を通す、つまり「渡らずの鉄橋」となりました。 |
![]() |
|
向皆外トンネル ポータル付近の崩壊 |
向皆外トンネルは全長45mでS29.3.18より、掘削を開始、同6.28貫通しました。しかし、その後の降雨、また台風の襲来により坑内のアーチ、側壁のコンクリートに剥脱が起き、中心線の移動、隧道断面の変形に及び、ついには地山全体が水窪川に向かってすべリはじめるに至って放棄せざるを得ない決断となりました。 |
![]() |
|
橋脚完成 |
橋梁工事中の写真です。 まだ、橋脚だけが写っています。 立ち並ぶエンタシスの右横には打ち捨てられた 向皆外トンネルの坑口が開いているのが見えます。 |
![]() |
|
橋桁架設その1 |
トンネル放棄の結果、代案が検討されましたが工期と工費から橋梁となりました。さらに大規模な崩壊の危険から現在のように一度対岸に渡り、戻り返す構造となりました。 これは桁の架設工事の写真です。 桁部材は二俣駅より城西駅まで陸送し、ここで組立て、トロに載せ20tDLで推進し、豊橋方より順次架設したそうです。 |
![]() |
|
橋桁架設その2 |
実はこの架橋中に事故がありました。 13番目の橋桁を架設するために豊橋寄りよりすでに架設された橋桁の上を移動中に番目の橋桁上を移動中にバランスを崩し水窪川河床に落下したのです。幸い、負傷者は無かったとのことです。原因は橋桁移動のための台車と橋桁との間に挟んだ枕木の内部が腐食していたためこれが折損し、これをきっかけにバランスを崩したものだそうです。 |
![]() |
|
橋りょう完成 |
第6水窪川橋りょう完成の俯瞰図です。 こうして、橋桁の総重量570.735t、総延長400.7m線路R=250mの橋りょうは橋桁落下事故にもかかわらず予定された営業開始日S30.11.11に開通したのでした。 |
![]() |
|
橋りょう上空より |
それでは、なぜこのような完成したトンネルを廃棄せざるを得ない地質とはどのようなものでしょうか。 航空写真と地形図を比較しながら、周辺の地質を見てみましょう。 |
![]() |
|
橋りょう 南上空より |
図の左側を中央構造線が走っています。そのため山の尾根が削られて「ケルンコル」という地形を示しています。この構造線に沿ってこの図では3本の断層線が見えています。S字橋の右上には天竜川断層と名づけられた断層がありやはり尾根の部分に独特の鞍部を形成しています。問題の向皆外トンネルを放棄に至らせた元凶です。この断層はS字橋という特異な橋を生み出しただけではなく、トンネル内で新旧の坑道が重なった第一久頭合トンネルというやはり特異なトンネルを生み出しています。これについては、別途ご紹介します。 |
![]() |
|
橋りょう 南上空より |
航空写真に標高データを貼り付け前図と同じ位置から俯瞰したものです。やはり天竜川断層の特異な地形が浮かび上がっています。 |
![]() |
|
橋りょう 北上空より |
問題の久頭合トンネルが見えています。中央構造線は図の下側、北側では水窪の町の西側を通過します。水窪から大嵐に至る大トンネル、大原トンネルはこれをたくみにかわしトンネルの水窪側坑口を通過しています。 |
![]() |
|
橋りょう 北上空より |
航空写真で観察してもやはり中央構造線とその周辺の断層が烈しく活動している様子が分かります。ケルンコル、断層線谷、断層侵蝕盆地など地形学上興味深い姿が見えています。 |
![]() |
|
S字橋 拡大 南より |
中央に水窪川が流れそれを渡り返すS字橋が見えます。その左側には尾根がせり出し、水窪川の水流により削られているのが見て取れます。このせり出した部分に向皆外トンネルがあります。もうすっかり自然に帰り、トンネルポータルだけが崩れた土砂の間から顔をのぞかせているだけです。 |
![]() |
|
S字橋 拡大 北より |
中央に水窪川が流れそれを渡り返すS字橋が見えます。その左側には尾根がせり出し、水窪川の水流により削られているのが見て取れます。このせり出した部分に向皆外トンネルがあります。もうすっかり自然に帰り、トンネルポータルだけが崩れた土砂の間から顔をのぞかせているだけです。 |
![]() |