ほとけさま、笑ったよ。
    円空さん   2005年6月7日(火)〜7月18日(月)
                   北海道立近代美術館
  円空は、寛永9年(1632)、美濃国(現在の岐阜県)に生まれた江戸時代初期の僧侶 です。十二万体の仏像を作ることを願い、その成就に一生を捧げ、東海地方を中心に 北は北海道や東北にも足を運び、各地で鉈(なた)をふるいました。 元禄8年(1695)に円空が生涯を閉じた後も、小さなお寺や神社、洞窟などにのこ された木彫りの仏像は、祈りを捧げられるばかりではなく、子どもが遊んだり、病気 に効くように削って飲まれたりなど、庶民の喜びや苦しみを一身に受けとめてきま した。今も多くの地域で身近な「ほとけさま」として、親しみを込めて「円空さん」と呼 ばれています。 昭和30年代以来、円空は全国的な注目を集め、地道な調査と研究によって各地で次々 と円空仏の存在が確認されてきました。近現代の彫刻にも通じる大胆で簡潔なかたち、 そして生き生きとした笑みの「円空さん」。そこには、伝統的な信仰の有無を超えて広 く、深く人々の心に訴えるものがあります。 今回の展覧会では、北海道、東北、束海、近畿地方などにのこる円空仏約120体をは じめ、白筆の書画や関連資料によって、魅力あふれる「円空さん」の世界を紹介されています。 
              ごあいさつ
荒削りの木肌に、不思議なほほえみをたたえた仏たち。円空仏の特異な風貌は、国内だけで なく、遠く海外でもたくさんの人々を魅了してきました。そして、それを造った円空の生涯が 謎に満ちていることも、かえって人々を引きつけているかに見えます。 円空が彫った仏像は、十万躯とも十二万躯ともいわれています。美濃(岐阜県)に生まれた円 空が、東海地方におびただしい数の仏を残していることはいうまでもありません。しかし、そ の足跡は東北地方や北海道にまで及んでおり、行く先々でたくさんの仏像を造りました。残さ れた仏像の多くは、今日まで三百年以上にわたり、地元の人々の身近な「ほとけさま」として大 切にまつられています。円空を突き動かし仏像を彫り続けさせた力は、高適な思想や教理では なく、民衆と同じ地平に立った祈りの心だったと思われます。それが今日まで「円空さん」と親 しまれ、愛されてきた大きな理由ではないでしょうか。 本展においては、北海道立近代美術館・仙台市博物館・名古屋市博物館が協力して地元の資 料を綿密に調査いたしました。その成果を新たな知見として加えることができたと自負すると ころであります。北海道・東北・中部・近畿を代表する円空仏百二十躯に自筆の書画・経典を 加え、一堂に展示しました。仏を刻みながら旅に明け暮れた円空の生涯をたどり、その技と心 に思いをはせていただければ幸いです。 本展開催にあたり、快くご出品いただきました所蔵者の方々をはじめ、ご協力いただきまし た皆様に対し心よりお礼申し上げます。
平成十七年 主催者

北海道立近代美術館 平成17年(2005)6月7日〜7月18日 主催/北海道立近代美術館・北海道新聞社・UIIB北海道文化放送 名古屋市博物館 平成17年(2005)7月30日〜9月11日 主催/名古屋市博物館・中日新聞社・中部日本放送 仙台市博物館 平成17年(2005)9月23日〜10月30日 主催/仙台市博物館・仙台放送 協力/独立行政法人奈良国立博物館  



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