鉄骨工事について話をすると、百科事典何冊分になるかわからない位あるのです。ここでは、鉄骨工事の中で最も重要で品質のばらつきが多い溶接に注意点を絞ることにします。

 

 実態 

 単価の下がりすぎによる影響  

 

 溶接部分の検査が省かれる  

 建築工事の低価格化による影響で溶接部分の超音波検査やその他の検査が省かれている場合がある。鉄骨工事の単価が原価割れを起こしている物件が多く努力しても赤字なってしまうのがほとんどである。そこで、建設会社側から検査を省く事により調整するよう話を持ちかけられる場合がほとんどである。 

 超音波検査100%でも不安 

 設計図書に超音波100%と記載されていても、実施もしていないのに書類が提出される場合がある。一部検査会社だが、技術的にも倫理的にも検査会社といえないようなところもある。

 

 素人のような溶接 

 地方からトラックで運搬される鉄骨を見かけるが、溶接部分の品質の悪いものをよく見かける。まるで素人が溶接したかのような、外観だけでも粗末なものが多い。

地方の工場に発注したほうが単価が安く押さえられるため、下請けのまた下請けなどが制作している場合が多く、作った人が誰なのかわからないような製品になっているような気がする。

 国から認可を受けている工場でも不安 

 認可工場だからといって100%信用できるとはかぎらない。検査する製品だけきちんと作り後は手を抜いているものが多い。工場が大きかったり、認定工場だからというおごりなのか、技術的にはきちんとしたものが作れるはずなのに作っていない。

 

 超音波検査、製品検査100%合格? 

 検査に100%合格している製品なのに、外観的に汚かったり、ブローホール、割れ

余盛不足、サイズ不足など、いわゆる溶接の不良部分があるにもかかわらず100%合格の書類が提出される事がある。鉄骨の溶接部分を判断するには、専門的な知識が必要で一般の人にはわかりにくい。だからといって、この詐欺まがいの行為がなされている事を絶対に許してはならない。

 軽量鉄骨造にも多い 

ハウスメーカーなどで作られている軽量鉄骨などは、ロボット溶接なので安心とうたわれているが、検査合格済みのシールが張られているにもかかわらずお粗末なものを見かける。細かく調べれば、かなりの確立で欠陥を発見できる。

 

 対処 

 第三者が立ち入る事が必要  

 

 第三者を介入させる  

 少々出費をするが、建設会社や鉄工所などと関係のないところに管理を頼む。

設計や知り合いから検査会社を紹介してもらい建設会社側に検査をさせないようにすることでかなりの欠陥を是正する事ができる。検査費用を工事から差し引いて、直接検査会社に支払う事により、書類の捏造はほとんどなくなるし、実態を把握できる。

 自信があるならどこが検査しても問題ない 

 きちんとした製品を作っているのであれば、どこの検査会社がみても結果は同じだし問題はないはずである。あれこれ言うのは、何かまずいものがあるからではないかと疑ったほうがいい。

 第三者を介入させる事により、製品の品質は、かなりの確立で向上する。それだけ、モラルのない加工工場が多いという事だろう。

 

 知識不足 

 知識不足の現場員が多い  

 

 鉄骨工事についてよく知らない現場監督が多い  

 製作会社にまかせっきりで、鉄骨工事について知らない現場監督が多すぎる。専門的すぎて全体を把握するのは、確かに困難なのだが、一見しただけで欠陥とわかるものさえ見逃しているのが実情。

 書類があれば安心 

 検査会社から製品の合格の書類さえあれば少々おかしなところがあっても大丈夫だと思っている。現場員が多すぎる。

 

 以前、あまりの粗悪な鉄骨とおかしな返答しかできない建設会社に不安を持ち、違う検査会社に再検査を依頼したお客さんがいた時の話を知り合いの検査会社から聞いた事話です。現場に行ってみると、超音波の検査をするまでもなく明らかに欠陥工事という物件があったそうだ。是正にかなりの時間とお金がかかったようだが、お客さんが不安に思わなければそのままであった事は言うまでもない。

 

 役所の検査人の知識不足 

 役所から鉄骨の検査にくる人の中で一部の人は、知識が豊富でとても勉強になる人もいるが、ほとんどの役人達は、何の知識がないのに等しい人たちばかりだ。せっかく検査をしても重要な部分を見逃している事が多くこれが、欠陥鉄骨がはびこる要因の一つになっているのは間違いない。行政として検査にくるのだから、しっりとした知識を基に工事の指導にあたっていただきたいと思います。書類だけで判断するなといいたい。

 

 マニュアルがあるようで、必ずといっていいくらいボルトの部分の指摘、質問がある。溶接部に関しては、眺めるだけで目の前に有る欠陥を通り過ぎてしまう。こんな光景を何度も目にしてきた。

 検査なども内容も知りもせずにやれということがよくある。現場では、ボルクの締め付けトルクの検査をやるが、これは、トルクレンチという器具を使い簡単にできる検査をやります。ところが、軸力検査というものをやれという人がいます。この検査は、専用の軸力計というものを使い専門の検査会社に依頼するような検査で、高額な検査費が掛かります。確認申請時に指摘がなければ、見積にもいれずだれがお金を出すかでいつも問題になります。ほとんどの場合この違いを説明し、検査はなくなりますが、無知の検査官によって現場はいつも振り回されます。

 

 鉄骨の家 

 いいことがたくさんある 

 

 鉄骨のメリット  

同じ3階建ての家なら鉄骨造の方が、私はいいと思います。間仕切りの制限や建物の信頼性から考えると、木造のほうが色々な問題が発生するからです。大スパンのリビングができたり、高気密、高断熱も木造より簡単にできるし、耐久性は木造より高い次元にあると思います。

 

鉄骨ALC造ならば、耐火性、耐震性、居住性どれをとっても木造より上ではないでしょうか。住宅に上げられている様々な問題を簡単に解決できるのがこの工法だと私は思います。

 

リフォームも構造的な規制が少なくスムースに行なえる事が多いと思います。2つの部屋を1つの部屋にしたり、リビングを大広間にしたり自由に替えられるのが鉄骨像だと思います。 

 

 問題 

鉄骨造で問題があるのは、地盤の耐力の事や施工する建設会社がどれだけ鉄骨の事をわかっているかということでしょう。単価の面は、最近では非常に安くなってきているので、性能から見れば木造よりはお勧めだと思います。

 

ハウスメーカーの軽量鉄骨は、木造と変わらず色々な制限があります。

 


 

 

      

 

  

 

記 2000.6.1