今でこそなんだかただのハリウッドサントラ用作曲家になっちゃった
グレアム=レベルさんですが、昔はスゴかったんです。

ライブでうしさんを解体したり、
のいずをたれながしたり。

そんな元看護士の彼は、70年代終わりごろに「SPK」という
ユニットを患者だったニール=ヒルといっしょにやってました。

ノイズ=コラージュのような彼らの作品群は無数のシングル、
「Information Overload Unit」「Leichenschrei」という2枚のオリジナルアルバムと
コンピレーション「Auto Da Fe」として、彼自身のレーベル
「Side Effects」からリリースされています。

精神を病んでいたニールの突き抜けるボーカル、
そしてそれまでの音楽表現にことごとくアンチを投げ掛けるグレアムの演奏。

彼らはスロッビング・グリッスルと並んで「ノイズ・インダストリアル」の
代表選手として名をあげてゆきます。

さて、彼らの音楽は思想的な意味合いで強烈なパンクであったのですが、
テクノポップとはいまいちつながりがありません。

が。

このオリジナルSPKは、ボーカルのニールが自殺してしまったことで
いったん暗礁にのりあげてしまうのです。

こまったグレアムさん、たまたま知り合った中国出身の女の子、シナンを
新しくボーカルに据えます。そして、音楽自体も大きく変化させたのでした。

・・・なんでか、「ポップミュージックをつくるんだー。」って
思ったみたいですね。

メタルパーカッションをサウンドやパフォーマンスに大幅に取り入れて「らしさ」を
残しつつ、シンセのみでダンスミュージックを作り出したのです。

かくして、怒涛のエレポップSPKが誕生したのでした。

彼らは1984年にアルバム「Machine Age Voodoo」を発表します。
もちろん以前のファンからは非難ごうごう。
そして彼ら自身もあんまり売れなかったね・・・

でも、改めて今聴き直すとなかなかかっこいいのですよ。

ちなみに、ユニットの名前は、
「SePpuKu」の略(笑)

いや、ドイツ語で「社会主義患者集団」を意味する言葉の略称です。

Machine Age Voodoo WEA/Elektra GB:WX-10 240 515-1

メタルバンドかお前ら?

01. Junk Funk
02. With Love from China
03. High Tension
04. One World
05. Flesh and Steel
06. Metropolis
07. Metal Dance
08. Thin Ice
09. Clime of Passion

84年に、メジャーのWEAと契約したSPKがリリースしたアルバム。ディスコっぽいっていうか、まあノリのよい曲のオンパレードです。でもシナンのせいか、なんとなくオリエンタルなムードもあります。効果音的なシンセの使い方が多くみられたりして、その意味ではとってもその時代の流行っぽいのかもしれません。でも、メタルパーカッションの比重もかなり大きくとられていて、そこがインダストリアルの帝王であったSPKの風格をただよわせているともいえるでしょう。

ブートレグのビデオで見ることができる当時のライブでは、ドラム缶のような金属をならべてグレアムがひたすらぶっ叩いていました。ガソリンかなんかで、火もついてます。肝心の曲、あんまりきこえません(笑)

そしてなにより、シングルになった07などの、シンセベースを主体にしたサウンドはまさしくエレポップ!これがSPKだって思わなければ、けっこうかっこいいアルバムになっていると思うんですけど。グレアム一人が音作りしてるので、当然のことながら全編打ち込みです。まあ難点をいうなら、あまりにもベタすぎる事でしょうねえ。09のタイトルとか・・・どうよグレアムさん?あとシナンのボーカルも・・・親がオペラ歌手だというのですが、なーんか合ってないかも・・・。あとジャケもださい・・・。

この作品はなぜか、CD化されることなく現在に至っています。でも、中古盤屋にいけば、希少なアイテムのわりにかなり安く入手できるので、ぜひ見つけてみて下さいね。そして、買って下さい。そうしたら、こう言ってあげます。

「物好きですね。」

※US/日本盤 WEA/Elektra P-13085

人と話するときはちゃんと目を見て。

01. Machine Age Voodoo
02. With Love from China
03. High Tension
04. One World
05. Flesh and Steel
06. Metropolis
07. Metal Dance
08. Seduction
09. Clime of Passion

なぜかジャケットがダンボールみたいなチャチなものに変更・・・。01のタイトルもまんまになっちゃった。で、08は曲自体差し替え。なんで?「Thin Ice」悪くない曲だったのに??というか、ジャケの変更がいちばん謎。ウザくなっちゃったのかな?はずかしくなっちゃったのかな?

エロいっていうよか、恥ずかしい。

これはシングル「Junk Funk」のものなんだけど・・・やっぱり、ナンですね(笑)ハードロックじゃないんだから・・・

Gold and Poison

いかにも手ェ抜いてます的テキトウジャケット

これはアルバムに収録されなかったポップな曲と、事実上最後のオリジナルアルバムになった「Zamia Lemani」から抜粋した曲を半々ぐらいで集めたベスト(?)。1986年の「Zamia Lemani」はビザンチンの彫刻に題を求めた、静かなインダストリアルともいうべき、難解でありつつ荘厳な作品であり、その意味では以前のSPKの延長線上にあります。名盤ですね。コアなSPK好きは、「Machine Age Voodoo」をなかったものとして扱うわけです(笑)。で、まあ、このベストなんですが、そんなSPKとエレポップばりばりのSPKが同居させられちゃってて、なんだかデタラメな印象です。でも、シングルとして発表された1曲目の「Breathless」はピアノ(の音色のシンセ)がとても美しい、かなりクールなエレポップになっていてかなりいいです。「Machine Age Voodoo」の汗臭さ、マッチョさから一転、ヨーロッパ的耽美主義を取り入れたような涼しげで流麗なサウンドを聴くことができます。ボーカルはシナンかな?でも今回はきれいにまとまってます。

裏ジャケにはシナンとグレアム、そして綺麗な女性が一人写ってます。誰なんでしょう?結局、グレアムはシナンと結婚したみたいなんですが、ここに写ってるシナンは髪がベリーショートで、ちょっとおさるさんみたい・・・僕がグレアムなら、この謎の女性を選びます。間違いなく。

ちなみにこの作品はCD化されているのでそのへんのCD屋さんで手にいれることができます。まあ、テクノポップ的に名曲と呼べるのが1曲だけなんで、買うってのもアレなんですけどね・・・。

 

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