☆ピックアップ作品☆

第4回

サークル「橙汁」製作
スグリ ”SUGURI”

あけましておめでとうございます。
新年最初の第4回目となる同人ソフトレビューは、
橙汁さんのハイスピードシューティング"スグリ"。
第4回目のお題は冬コミで面白かったソフトという事でしたので、
この作品を選ばせて貰いました。

一部の大手サークル様を除き、全体的に完成版が少なかった冬コミでしたが、
その中で異彩を放ちながらも光っていたのがこの作品。

地球と言う星はボロボロだった。
何度も何度も繰り返された戦争で、人も地球もボロボロになった。
ほんの僅か、生き残った人達は地球を捨てた。
宛ても無いのに空へと飛んだ。
ほんの僅か、地球に残った人は、地球の手当てを始めた。
もうボロボロで、人の手なんかに負えないのに。
人の手では、地球はどうにもならない。
だから人は、とんでもない時間をかけて
地球をどうにかできる「ひと」を造った。
とんでもない時間をかけて、たった一人。
たった一人の「ひと」は、スグリと呼ばれた。

最大12種類の武器の中から2種類選んでスタート。
まず目に付くのがHPとヒートゲージ。
ダッシュや一部の武器を使用したときに上昇するヒートゲージ
ですが、上がれば上がる程被弾時にダメージ量が増える
諸刃の剣のシステム。

敵の攻撃は主に実弾とビームの二種に分かれており、
後者の方はダッシュですり抜ける事が出来ます。
他にもダッシュ時に攻撃がパワーアップする武器があったり、
雑魚には命中率を上げるため急襲したりと結構重要な
システムだったりします。

この辺がハイスピードシューティングって所以なんでしょうね。

武器も全部一癖も二癖もある武器ばかりで攻撃後に硬直が
あったり、射程距離が短かったり、ダッシュと逆で実弾には無敵
だがビームに弱くなる特性があったりとどれも一長一短。

ステージとボスの攻撃の特性を考えてメイン武器を選択し、
その短所を補うためにサブ武器を選ぶってのが普通のスタイル
になります。

敵は出てくる数は少ないですが、雑魚敵もHPが設定されているので高めの攻撃力の武器がどちらかは欲しいところ。
で、実はこの作品ハイスピードシューティングと言いながら、敵の
出現数やスピード、武器の攻撃後の長目の硬直なんかは
その命題と全く逆の事をやって居るんですよね。

其れでいて、硬直後の緊急回避としてダッシュを使ったり、攻撃に硬直があるので複数の敵に囲まれる前に回り込んで撃破する等
逆の命題を利用して、それらの緩急であたかもハイスピードであるかの様に見せているんですね。

ただ敵のスピードをあげたハイスピードシューティングってのは
良く見かけますが、緩急を利用してはったりを効かせてるってのは珍しい。





そして、この作品のもう一つの売りが最終面の演出。

キャラクターを前面に押し出したシューティングってのは
沢山存在しますが、シナリオ部分にまで力を入れる作品って
そんなに無いんですよね。
大抵の作品は世界観と設定の構築だけしてキャラクター部分は
終わり。
シナリオは敵との会話とOP、EDで終わってしまう呆気ない
作品が殆どです。

だけどこの作品はラストバトルのみノベルス顔負けの演出で巧い
こと臨場感を描ききっているんですよね。
その巧さは、前作"きゅぴシュ〜"でカットインを使って燃える
演出をさせた橙汁さんならでは。

ラストだけにこれでもかと演出をぶち込むことで、漸くラスボス
なんだという臨場感と其れを倒したという達成感が生まれるんで
しょうね。

道中に諄いまでの演出があっても邪魔になるでしょうし、その辺も巧いこと緩急を使いこなしているなぁと感心します。

唯一不満点があるとすれば、武器性能の差が開きすぎていて、選ぶ武器がある程度似通ってしまう
といった点。

折角多種多様な武器があって組み合わせで考えると66通りも存在すると考えれば勿体ない。
もう少し全ての武器が活躍できるような作りになっていれば組み合わせも増えたでしょうにね。
ネタ以外では使い道のなさそうな武器が結構あったのが残念です。

それでも冬コミの中ではトップクラスにシステムとゲーム性のバランスが取れていましたし、一風変わった
作品って事で普通のシューティングに少し飽きてきた人にもお勧めです。

OLE氏担当


バックナンバー:第1回『Rectangle製作「RaidersSphere Second〜the Hidden Script〜」』OLE氏担当
         :第2回『ONE'S製作「イノセントリア」』百耶といろ担当
         :第3回『ESCAPE SOFTWARE製作「NIGHTMARE 4.1」』OLE氏担当